7月3日ツール・ド・フランス結果
第100回ツール・ド・フランスは、7月3日にカニュ・シュル・メールからマルセイユまでの228.5kmで第5ステージを競い、集団ゴールスプリントを制して英国チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)が今大会1勝目を上げた。2位はエドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ)、3位はペーテル・サガン(キャノンデール)だった。カヴェンディッシュのツール区間優勝は、これで通算24勝になった。マイヨ・ジョーヌはオーストラリアのサイモン・ゲランズ(オリカ・グリーンエッジ)が守った。
第5ステージは195選手が出走。スタートしてすぐにアタックしたのは、すでに総合成績争いから脱落していたベルギーのトーマス・ドヘント(バカンソレイユ・DCM)だった。彼に日本から唯一参加している新城幸也とチームメートのケビン・レザ(ヨーロッパカー)、昨年のU23ロード世界チャンピオンのアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ)、ロマン・シカール(エウスカルテル・エウスカディ)、アントニー・ドラプラス(ソジャスン)が合流し、この日の逃げグループを形成した。6人は黄色いヘルメットを着用したオリカ・グリーンエッジがコントロールするメイン集団に37km地点で12分45秒差を付けた。しかしそれが最大で、102.5km地点の中間スプリント地点ではタイム差は10分を切っていた。集団ではマイヨ・ベール争いのスプリントが競われ、アンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)が7位通過で9ポイントを獲得。しかしサガンも7ポイント、カヴェンディッシュは6ポイントを稼いだ。
ゴールまで残り100kmになると、集団ゴールスプリントを狙うチームアルゴス・シマノとロット・ベリソルが集団の先頭で仕事を開始し、その差はどんどん縮まり、残り20kmで2分になっていた。集団ではゴールまで残り16km地点で落車が発生し、クリスティアン・バンテベルデ(ガーミン・シャープ)、ピエール・ロラン(ヨーロッパカー)、マルセル・キッテル(アルゴス・シマノ)が巻き込まれたが、大事には至らなかった。残り10kmを切って新城らは集団に吸収されたが、U23世界チャンピオンのルツェンコはゴール手前4kmまで抵抗を続けた。最後の集団ゴールスプリントは、スプリンターを擁するチームがひしめき合って位置取り争いをしたが、ベルギーのヒールト・スティーフマンス(オメガファルマ・クイックステップ)に牽引されたカヴェンディッシュが残り200メートルからスパートし、ライバルたちを引き離してゴールに飛び込んだ。その後方では大勢の選手を巻き込んだ落車事故が発生。ナセル・ブアニ(FDJ.fr)、ユルフン・バンデンブルック(ロット・ベリソル)、ミヒャエル・シャール(BMC)、マキシム・ブエ(AG2R・ラモンディアル)、ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ)が巻き込まれてしまった。
区間優勝したカヴェンディッシュは、ツール開幕前に気管支炎を患い、抗生物質で治療していて体調は万全ではないと前日に明かしていたが、集団ゴールスプリントに加われば無敵であるところを見せつけた。「ボクはいつもツールでは第5ステージくらいまで勝てないんだよね。だからこの勝利はまったく普通なんだ。けれど今日、ボクたちは本当にやる気満々だった。今日はオリカ・グリーンエッジが引いてくれたからよかったよ。ボクたちは後ろにいてゴールのためにエネルギーをセーブできた。ジェローム・ピノーが最後の上り坂についてボクに教えてくれた。それはいつも厄介なものだとわかっていた。でも左に曲がったとき、ボクはここがプロになって初めて走ったレースの場所だって気がついたんだ。マルセイユへと向かい始めたときに、その上り坂がどんなものだったか正確に思い出していた。それでラッキーなことに、ボクは持ちこたえられたのさ。それにチーム全員がボクの近くにいてくれて、最後の1kmまで連れて行ってくれたんだ」と、ガウェンディッシュはこの日のレースについて語っている。
1 マーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ/英国)5時間31分51秒
2 エドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ/ノルウエー)
4 アンドレ・グライペル(ロット・ベリソル/ドイツ)
6 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ/ノルウエー)
7 フアンホセ・ロバト(エウスカルテル・エウスカディ/スペイン)
8 ラムナス・ナバルドースカス(ガーミン・シャープ/リトアニア)
9 シリル・ルモワン(ソジャスン/フランス)
65 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)
■第5ステージまでの総合成績
1 サイモン・ゲランズ(オリカ・グリーンエッジ/オーストラリア)18時間19分15秒
2 ダリル・インペイ(オリカ・グリーンエッジ/南アフリカ)
3 ミヒャエル・アルバズィーニ(オリカ・グリーンエッジ/スイス)
5 シルバン・シャバネル(オメガファルマ・クイックステップ/フランス)+1秒
6 エドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ/ノルウエー)+3秒
7 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+3秒
8 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+3秒
9 ニコラス・ローチ(チームサクソ・ティンコフ/アイルランド)+9秒
11 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+9秒
71 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+3分42秒
[各賞]
■山岳賞:ピエール・ロラン(ヨーロッパカー/フランス)
■チーム成績:オリカ・グリーンエッジ(オーストラリア)
新城選手の順位がかなり後退していますね。