7月12日ツール・ド・フランス結果

http://www.cyclesports.jp/depot/detail.php?id=6940から引用

【ツール速報】第13ステージでカヴェンディッシュ区間通算25勝目/バルベルデが総合争いから脱落!

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第100回ツール・ド・フランスは、7月12日にツールからサンタマン・モントロンまでの173kmで第13ステージを競い、英国チャンピオンのマーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ)がゴールスプリントでマイヨ・ベールのペーテル・サガンキャノンデール)を下して今大会2勝目を上げ、ツールでの区間通算優勝回数が25勝になった。


フランスを斜めに南下する平坦ステージは、強い横風の影響で思わぬ展開となった。ゴールまで残り31kmで、先頭のマイヨ・ジョーヌ集団からアルベルト・コンタドールを含めたチームサクソ・ティンコフの選手たちがまさかのアタックを仕掛け、14選手が先行。カヴェンディッシュはこのアタックに加わって区間優勝した。先行した14選手にはベルキンのローレンス・テンダムとバウケ・モレマも加わっていた。マイヨ・ジョーヌ集団は1分9秒遅れでゴール。英国のクリストファー・フルーム(スカイ)は総合首位の座を守ったが、ライバルたちにタイム差を縮められてしまった。序盤には横風が吹き荒れるなか、逃げを吸収しようとオメガファルマ・クイックステップがはげしく先頭を引いたため、56km地点で集団が3つに分断。このタイミングで前日まで総合2位だったアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)は、不運にも車輪交換でマイヨ・ジョーヌ集団から離脱し、そのまま復帰することができなかった。彼とチームメートのルイ・コスタは10分近く遅れてゴールし、総合争いからも脱落した。


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第13ステージは前日の落車で肩甲骨を骨折したノルウエーのエドワルド・ボアソンハーゲン(スカイ)が出走せず、181選手がスタート。快晴だったが、強い横風にさいなまれた一日だった。2km地点から6選手がアタックして逃げ続け、最大3分50秒差を付けた。この逃げを追うために、オメガファルマ・クイックステップの7選手が先頭を激しく引いたため、56km地点で集団は3つに分断。第2集団にオメガファルマ・クイックステップの最大のライバルであるアルゴスシマノマルセル・キッテルや、世界チャンピオンのフィリップ・ジルベール(BMC)が取り残され、第3集団にはライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ)、ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・メリダ)が入っていた。90人ほどになったメイン集団は77km地点の丘で逃げていた6人を吸収。その時点でキッテルの集団は50秒遅れていた。


モビスターチームは全員が先頭集団に入っていたが、84km地点の補給所で不運が待ち構えていた。補給を受けるために集団ではブレーキがかけられ、他の選手の自転車がバルベルデの後輪にぶつかって破損。彼はすぐにチームメートのホナタン・カストロビエホから車輪を借りて交換した。バルベルデはチームメートとともに30秒の遅れを取り戻そうと追走を試みたが、集団の先頭ではオメガファルマ・クイックステップとベルキンがスピードをゆるめずに引き続け、その差は縮まるどころか開く一方だった。後方からはキッテルの集団が近づいていたたため、バルベルデたちはこれを待って合流し、追走を再開した。メイン集団では中間スプリント地点でさらにスピードが上がったが、アンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)を先頭に通過した後は、スピードは少しゆるくなった。ゴールまで残り51km地点で、バルベルデはメイン集団とのタイム差を42秒にまで縮めたが、残酷な横風はさらに強く吹きつけ、彼らの行く手を阻んだのだ。しかもメイン集団を引くオメガファルマ・クイックステップのアシスト選手たちは、北のクラシックで強い風には慣れている選手が揃っていた。ゴールまで残り40kmで、バルベルデはすでにメイン集団に2分近く離されていた。


メイン集団の先頭では、残り31km地点でオメガファルマ・クイックステップ列車にチームサクソ・ティンコフ列車が手助けを始めたかと思うやいなや、猛烈な加速でアタックし、先頭にいた14選手が先行する形になった。チームサクソ・ティンコフはコンタドールダニエーレ・ベンナーティ、ロマン・クロイツィーゲル、ニコラス・ローチ、マイケル・ロジャース、マッテーオ・トザットの6人がこのグループに入っていた。オメガファルマ・クイックステップカヴェンディッシュとシルバン・シャバネル、ニキ・テルプストラの3人、キャノンデールサガンとマチエイ・ボドナルが入り、ベルキンは総合上位のモレマとテンダムが入っていたため、マイヨ・ジョーヌ集団ではこの先頭グループに誰も入れられなかったカチューシャとロット・ベリソルが先頭を引いて追走した。しかし、チームサクソ・ティンコフの精鋭たちがチームTTのように加速したため、その差は無情にも開いていった。その間にも、後方ではバルベルデの集団がどんどん遅れていた。ゴールまで残り5kmで、14選手とマイヨ・ジョーヌ集団のタイム差は1分にまで開いていた。先頭では、フラム・ルージュを目前にテルプストラがアタック。ボドナルがこれを鎮圧したが、シャバネルがカヴェンディッシュの最後の水先案内人をつとめ、最後は先頭に立った英国チャンピオンが難なく先頭でゴールラインを通過した。


「表彰台に上がったのはボクだけだけど、今日はチーム全員が上るべきだった。みんなまったく信じられないくらい働いてくれたよ。とても難しく、ナーバスなステージだった。でも最後は勝ててとても興奮した。勝てて本当にうれしい。数日間辛い日がつづいた後で、もう一度表彰台に上がれるのは素晴らしいよ」と、区間優勝したカヴェンディッシュは喜びを語っている。ツール区間通算25勝は、フランスのアンドレ・ルデュックと並んで歴代3位の記録だ。彼はこれから歴代2位のベルナール・イノー(フランス)が持つ28勝の記録に挑むことになる。ちなみに歴代1位はエディ・メルクス(ベルギー)の34勝だ。


この日、マイヨ・ジョーヌに対して思いがけず1分以上の差をつけることができたコンタドールは「今日のステージにはとても満足している。もしスタート前に、今日はリーダージャージに1分10秒の差を付けられると誰かに言われても、ボクは信じなかっただろう。チームはまったくすごかった。最初はバルベルデが不運に見舞われたので、ボクたちは動かず、先頭は引かないと決めた。けれど最後には、我々のチームはとても強いが、他の選手たちは手こずっていることに気がついて、アタックすることにしたんだ。最初のアタックでは、ベンナーティがバイクのように走った。それで集団は粉々になってしまったのさ」と、語っている。「3分57秒が2分45秒に変わっても総合では大差はない。ボクたちはまだアルプスで攻撃を続けることに集中するよ。このツールは厳しいがまだ終わってはいないし、たくさんのことが起こり得る」



一方、総合争いから大きく脱落してしまったバルベルデは「ただ純粋に不運な日だった。それ以外にはない。我々は前にいて、気を配り、自信を持ち、今年のツールでいつもしていたのと同じようにしていた。けれど肝心な場面で、不運がボクの後ろから誰かに衝突させて、後輪を壊させてしまった。避けることはできなかった。チーム全員がボクのために止まり、もう少しで追いつくことができそうだった。けれどベルキンやヨーロッパカーのようなチームが激しく引いたんだ…これが自転車レースというものだ。あるときは勝つが、あるときは負けるのさ」と、この日のレースを振り返った。「我々は戦い続けなければならず、落ち着いたままでいなければならない。ツールの道程はまだ長い。レースはきっと大きく変わるにちがいないし、変わるだろう。我々はまだキンタナが総合で上位にいる。まだ長い1週間があり、おそらくリーダージャージを競うことはできないだろう。けれど我々は、集団にいくらかの痛みを与えることができる。今日の攻撃のあとで、我々がどんなことを計画するか見ていてくれ。キンタナが我々にとって総合で最高位の選手であり、我々はそう決めたなら彼を援護する。けれど表彰台を狙うために他の選手を傷つけるチーム戦略も取れるんだ。まだ山岳ステージがたくさん残っていて、多くのことが起こり得るのさ」


7月13日はサンプールサン・シュル・シウールからリヨンまでの191kmで、起伏の多い第14ステージが行われる。(Map:ASO)


■第13ステージ結果[7月12日/ツール~サンタマン・モントロン/173km]

1 マーク・カヴェンディッシュ(オメガファルマ・クイックステップ/英国)3時間40秒08秒

2 ペーテル・サガンキャノンデールスロバキア

3 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)


5 ニキ・テルプストラ(オメガファルマ・クイックステップ/オランダ)

6 ロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ/チェコ

7 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)

8 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)

9 シルバン・シャバネル(オメガファルマ・クイックステップ/フランス)+6秒

10 マイケル・ロジャース(チームサクソ・ティンコフ/オーストラリア)+9秒

16 ミハウ・クウィアートコウスキー(オメガファルマ・クイックステップポーランド)+1分9秒

25 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+1分9秒

26 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+1分9秒

70 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+9分54秒

83 ルイ・コスタ(モビスターチーム/ポルトガル)+9分54秒

106 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+9分54秒

■第13ステージまでの総合成績

1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)51時間00分30秒

2 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+2分28秒

3 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+2分45秒

4 ロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ/チェコ)+2分48秒

5 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+3分01秒

6 ヤコブ・フグルサング(アスタナ/デンマーク)+4分39秒

7 ミハウ・クウィアートコウスキー(オメガファルマ・クイックステップポーランド)+4分44秒

8 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+5分18秒

9 ジャンクリストフ・ペロー(AG2R・ラモンディアル/フランス)+5分39秒

10 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+5分48秒

16 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+12分10秒

18 ルイ・コスタ(モビスターチーム/ポルトガル)+14分22秒

84 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1時間08分16秒

[各賞]

■ポイント賞:ペーテル・サガンキャノンデールスロバキア

■山岳賞:ピエール・ロラン(ヨーロッパカー/フランス)

■新人賞:ミハウ・クウィアートコウスキー(オメガファルマ・クイックステップポーランド

■チーム成績:チームサクソ・ティンコフ(デンマーク

前日は落車があって、その影響がモロに出ましたね。