「押上駅」本体20年度完成へ


押上駅の設置が計画される西海踏切付近=糸魚川市



 新潟県糸魚川市えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン糸魚川-梶屋敷間で整備を計画している新駅「押上駅」(仮称)について、市は28日までに、2020年度に駅本体の工事を完了させる方針を固めた。開業時期について、トキ鉄本社(上越市)は「糸魚川市と検討中で公表できる段階ではない」、糸魚川市は「未定」としている。ただ関係者によると、早ければトキ鉄の21年春のダイヤ改正時の開業が見込まれるという。

 市内には、押上駅糸魚川-青海間に「今村新田駅」(仮称)の2駅を新設する構想があり=地図参照=、このうち、駅近くに高校や病院があり、多くの利用が見込まれる押上駅の整備を優先する。本年度は詳細設計を行っている。

 押上駅は西海踏切付近に整備する。市は、19年度は2804万円で用地取得や駅整備の支障になるケーブルの移設工事、埋蔵文化財調査委託を、20年度は1億7679万円でホームなど駅本体の工事と、指令システムの改修工事などを行う予定。21年度は500万円で周辺付帯施設を整備する見通しだ。

 押上駅の新設は、糸魚川高校が現在地(平牛)に移転した1972年ごろから地元住民らが要望していたが、付近に電気の直流・交流の切り替えによる停電区間があり、電車が一度停止すると動けなくなるため駅を設置できなかった。2015年、JR西日本からの経営移管に伴い、普通列車が電車からディーゼル車に代わり、駅設置が可能になった。

 地元住民らでつくる「押上『新駅設置連絡会』」は20年3月の開業を求めている。市建設課は「具体的な開業時期の決定は、18年度中に詳細設計を終え、トキ鉄との調整や国の認可手続きが進めば見えてくると考えている」としている。


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