<仙台・西公園>思い出の機関車 解体危機越え半世紀
仙台市青葉区の西公園にある蒸気機関車(SL)が5日、展示から半世紀を迎える。「鉄道のおじさん、蒸気機関車をぼくたちにください」。少年の声が届き、50年前の「こどもの日」にやって来た。2度の解体の危機を乗り越えたSLは、これからも子どもたちに愛され、仙台の街を見守り続ける。
SLは西公園で雨風にさらされて劣化が進み、2度目の解体の危機を迎えた。ナンバープレートなど、外せる部品の盗難も相次いでいた。
状況を見かねた長倉さんら鉄道OB会が2012年、仙台市に修繕と屋根の設置を要望。16年秋、化粧直しを終えたC601が公開された。
最初の解体の危機を救った滝浦さんは現在、放送大学教授を務める。市民による息の長い保存活動に敬意を表した上で「不思議な存在感を持った近代の遺産として、西公園にあり続けてほしい」と話す。