「川崎市営地下鉄」廃止へ 市、交通計画を見直し


川崎市は1日、2013年3月に策定した「市総合都市交通計画」(計画期間は20年間)の一部を見直す方針を明らかにした。計画を休止している川崎縦貫鉄道に関しては、廃止する前提で代替手段を明確化する方向で見直す。

 同日の市議会まちづくり委員会で報告した。昨年4月の国の交通政策審議会の答申など社会情勢の変化を受け、必要な見直しを行う。今年11月末に素案をまとめ、来年3月末に計画を改定する。

 現行計画では、川崎縦貫鉄道(川崎-武蔵小杉-新百合ケ丘)は計画策定から20年以内に着手を目指す「Cランク」に位置付けている。しかし、市は15年7月に計画を「休止」、国の審議会への提案を見送り、答申からも記述が消えていた。

 市は川崎縦貫鉄道の廃止を前提に計画を点検。代替手段として、「横浜市営地下鉄3号線延伸」(あざみ野-新百合ケ丘=Cランク)を重視し、川崎市北部の鉄道不便地域でバス路線を拡充する方向。地域の高齢化を踏まえ、中型バスが運行できない地域で小型バスの活用も検討する。

 また、JR南武線の混雑緩和では、10年以内に事業着手を目指す「Bランク」に列車の長編成化を位置付けているが、オフピーク通勤の協力要請など需要調整の取り組みを新たに盛り込む方向だ。


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