栃木県小山市/新交通システム導入検討/貨物専用線を活用、都市交通計画改定へ


栃木県小山市は、市内にある貨物専用鉄道「高岳引込線」を活用した新交通システムの整備を検討する。2003年度に策定した総合都市交通計画を改定する中で、新交通システムの追加を目指す。市は、同計画の改定調査に活用する交付金の申請を国土交通省に提出した。認められれば19年度に調査を実施。新交通システムの需要予測を行うことも視野に入れている。

 高岳引込線は、東光高岳北関東営業所(中久喜)とJR宇都宮線小山駅を結ぶ工場専用線。軌道は東光高岳古河電気工業が所有している。

 市が設置した「まちづくりと新交通の導入に関する検討委員会」(委員長・永井護宇都宮大名誉教授)は17年3月に報告書を取りまとめた。報告書を受け取った後、市は国交省と意見交換を実施。総合都市交通計画の改定、鉄道事業法軌道法など法律面からの位置付けの明確化といった助言を受けた。

 報告書で同検討委は、高岳引込線を利用し一部線路を新設した上で、新交通システムを導入する案を提示した。路線延長は約4・8キロ。600メートル程度の間隔で9カ所の停留所を設ける。

 採用車両は▽気動車ディーゼル車両)▽路面電車(高床車両)▽次世代型路面電車(LRT)-の3案を挙げた。上下一体方式とし、民間事業者または第三セクターを事業主体に想定している。関係機関との協議や都市計画手続きを進めた上で、19年度の工事着手を目指すとしていた。

 総合都市交通計画の改定に関連し、市は18年度に市内全域のパーソントリップ調査をパシフィックコンサルタンツに委託。現在、調査結果を取りまとめている。


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