近江鉄道ミュージアム閉館 希少電気機関車がたどる暗黒の道
貴重な鉄道遺産が消え去ろうとしている。近江鉄道(滋賀県彦根市)は、電気機関車などの車両などを展示していた「近江鉄道ミュージアム」を12月に閉館。毎月1回無料公開されていたが、8日の「感謝祭」が最後の公開となった。
展示していた電気機関車は大正時代に製造されたもの。2台ある凸型のED31形は、1923年に芝浦製作所などが製造。また、4両あるED14形は、国鉄が東海道線電化開業時に輸入したもので、26年に米国ゼネラル・エレクトリック社で製造されている。
この他には元・阪和電気鉄道(現・JR阪和線)で働いていたロコ1101形もある。これは、30年に車体を日本車輌、電気機器類を東洋電機が製造したもので、51年に近江鉄道に来た。これらの鉄道遺産が一気に消えてしまいそうだ。
近江鉄道広報課は「近江鉄道ミュージアムは2007年にオープンしました。老朽化に伴い安全面を優先して解体することになりました。これまで展示していた車両7両は、維持費用の面から解体する方向となっています。引き取り手がない場合は、年度内には、順次解体されることになると思います」と語る。
「会社から『言うな』と言われているので詳細は申し上げられませんが、これから彼ら(電気機関車)が進む道の先は暗黒そのものです。もしこのイベントで少しでも感じることがありましたら、その感じたことを教えてください。もはや現場の社員がいくら声を上げようと取り合ってくれません。お客様の声が、暗黒の道に街灯を灯すことになるかも知れません」
名義は、「近江鉄道鉄道部」となっていた。
名義は、「近江鉄道鉄道部」となっていた。
現在、これらの機関車は、敷地外からも見ることができる。鉄道マニアならずとも、その最後の姿をカメラに収めておきたい。