赤い新特急、快適さで差別化 近鉄名阪、20年春投入
名古屋と大阪を結ぶ近鉄の「名阪特急」に二〇二〇年春、座席の間隔を北陸新幹線の最上級車両「グランクラス」並みに広げた新型が投入される。圧倒的な速さを持つ東海道新幹線と差別化し、快適さに専念した独自路線は、二七年に開業するリニア客の取り込みも狙っている。
普通車両でも、新幹線のグリーン車並みの百十六センチ。背もたれを倒しても後ろの席に影響しない「バックシェル」を全席に備え、乗客に気を使わせない。海外旅行客らのスーツケースが置ける大型ロッカーと、無線LAN設備も設ける。
近鉄の分析では、名阪特急の利用は、観光客が三割、コンサートなどイベント客が二割、ビジネス客が二割で、残りがその他。ピークはバブル景気の真っただ中の一九九〇年度で二百五十万人だったが、沿線人口の減が響き、二〇一六年度は百八十万人に減った。
(中野祐紀)
本革張りの座席が並ぶ「ハイグレード車両」のイメージ=近鉄提供 |
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