7月17日ツール・ド・フランス結果
【ツール速報】第17ステージの個人TTでマイヨ・ジョーヌのフルームが区間3勝目
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第100回ツール・ド・フランスは7月17日にアンブランからショルジュまでの32kmで、カテゴリー2の丘を2つ越える個人タイムトライアルを競い、マイヨ・ジョーヌのクリストファー・フルーム(スカイ)が優勝し、今大会での区間優勝数が3勝になった。2位には9秒差でアルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ)が入り、総合成績で2位に浮上。区間3位は10秒差でホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)だった。
前日まで総合9位だった地元フランスのジャンクリストフ・ペロー(AG2R・ラモンディアル)は、午前中の試走で落車し、右鎖骨にヒビが入ってしまった。それでもペローはこの日のレースに出走したのだが、残り2kmで再度落車し、ふたたび右肩を強打してしまった。彼はそのままレースをリタイアし、100回記念大会は地元フランス勢の総合トップ10入りが難しくなってしまった。
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第100回ツール・ド・フランスは7月17日にアンブランからショルジュまでの32kmで、カテゴリー2の丘を2つ越える個人タイムトライアルを競い、マイヨ・ジョーヌのクリストファー・フルーム(スカイ)が優勝し、今大会での区間優勝数が3勝になった。2位には9秒差でアルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ)が入り、総合成績で2位に浮上。区間3位は10秒差でホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)だった。
前日まで総合9位だった地元フランスのジャンクリストフ・ペロー(AG2R・ラモンディアル)は、午前中の試走で落車し、右鎖骨にヒビが入ってしまった。それでもペローはこの日のレースに出走したのだが、残り2kmで再度落車し、ふたたび右肩を強打してしまった。彼はそのままレースをリタイアし、100回記念大会は地元フランス勢の総合トップ10入りが難しくなってしまった。
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第17ステージは178選手がスタート。スペインのゴルカ・イサギレ(エウスカルテル・エウスカディ)が発熱のため出走しなかった。競技は午前中から始まり、序盤は天気もよく、30番目にスタートしたオランダのリューウェ・ウェストラ(バカンソレイユ・DCM/オランダ)が54分2秒で長らく暫定1位の座を守っていた。この記録をスペインのヨン・イサギレ(エウスカルテル・エウスカディ)が4秒差で破ったが、後半に入って米国のティージェイ・バンガルデレン(BMC)が53分24秒でゴールして暫定トップに立った。
午後3時をすぎると、予報通り雨が降り始めた。バンガルデレンの記録を塗り替えたのは、最後から15番目にスタートしたスペインのアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)だった。彼はバンガルデレンのタイムよりも1分以上速い52分3秒でゴールした。驚いたことに、その記録を抜いたのはTTがけっして得意ではないスペインのホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)だった。しかし、すでにコース上ではコンタドールが3ヶ所あった中間計測地点で最速タイムを更新しつづけていた。その走りに前日の落車で痛めた右ヒザの影響はなかった。3分遅れてスタートしたフルームは、中間計測地点ではけっしてコンタドールの記録を塗り替えることができなかった。
この日、勝敗を分けたのは2つ目の丘を登り終えた20km地点での自転車交換だった。コンタドールは自転車を変えずに残り12kmを下ったが、フルームはここでTT用バイクに交換したのだ。ロドリゲスの記録を抜いて暫定トップに立ったコンタドールは、固唾を飲んでマイヨ・ジョーヌの到着を待っていたが、勝利の瞬間は訪れなかった。自転車を交換した時点でフルームはコンタドールよりも11秒遅れていたのだが、残り12kmでそのタイムを逆転し、さらに9秒上回ってゴールへと飛び込んだのだ。
「今日の結果は本当に驚いた。これからの数日間のことを考えて、ちょっとタイムを失うつもりでいたし、明日ラルプ・デュエズを2回上る前に、絶対にケガはしたくなかったんだ。最初の個人TTでやったようには自分を痛めつけはしなかった。だから驚きだよ。中間計測には励まされた。最初も2度目もコンタドールにそれほど離されてなかったからね。最後に大きなギアのTT用バイクに変えることで、絶対に数秒得られることはわかっていたのさ」と、フルームはこの日のステージを振り返っている。
前日まで総合2位だったオランダのバウケ・モレマ(ベルキン)は、残り1.2kmのカーブでコントロールを失い、落車はしなかったがフェンスに軽くぶつかってしまった。彼はフルームよりも2分9秒遅れの区間11位で個人TTを終え、総合4位に転落。表彰台をチェコのロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ)に奪われてしまった。
7月18日は、いよいよ100回記念大会で最大の見どころである、ラルプ・デュエズ登坂に2度挑む第18ステージだ。172.5kmのコースはガップをスタートし、序盤はカテゴリー2のマンス峠とカテゴリー3のランプ・デュ・モティを越える。そして中盤にカテゴリー2のオルノン峠を越えた後、最初のラルプ・デュエズ越えは108km地点からスタート。平均勾配8.4%の12.3kmを上ったあと、標高1765メートルからいっきには降らず、カテゴリー2のサレンヌ峠を越えてから標高726メートルまで下る。そして2度目のラルプ・デュエズ登坂は1度目よりも長い13.8kmつづき、標高1850メートル地点でゴールする。心配なのは個人TT同様、第18ステージも雨天の予報が出ていることだ。とくにサレンヌ峠の下り坂は雨天の場合は危険ではないかという声も出ている。最悪の場合は、コース変更もあり得るかもしれない。(Map:ASO)
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■第17ステージ結果[7月17日/アンブラン~ショルジュ(個人TT)/32km]
1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)51分33秒
2 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+9秒
3 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+10秒
5 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+30秒
6 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+1分11秒
8 ヤコブ・フグルサング(アスタナ/デンマーク)+1分34秒
9 アンドリュー・タランスキー(ガーミン・シャープ/米国)+1分41秒
10 ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+1分51秒
11 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+2分09秒
153 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+7分17秒
167 カデル・エヴァンス(BMC/オーストラリア)+8分04秒
■第17ステージまでの総合成績
1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)66時間07分09秒
2 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+4分34秒
4 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+6分23秒
5 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+6分58秒
6 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+7分21秒
7 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+8分23秒
8 ヤコブ・フグルサング(アスタナ/デンマーク)+8分56秒
10 ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ/アイルランド)+12分50秒
12 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+15分12秒
18 カデル・エヴァンス(BMC/オーストラリア)+24分44秒
98 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+1時間55分45秒
[各賞]
■山岳賞:クリストファー・フルーム(スカイ/英国)
■新人賞:ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)
■チーム成績:チームサクソ・ティンコフ(デンマーク)