7月19日ツール・ド・フランス結果
【ツール速報】悪天候の第19ステージでコスタが逃げ切り区間2勝目
第100回ツール・ド・フランスは、7月19日にブール・ドワザンからル・グラン・ボルナンまでの204.5kmで第19ステージを競い、悪天候のなかをポルトガルのルイ・コスタ(モビスターチーム)が逃げ切って今大会2度目の区間優勝を勝ち取った。2位はドイツのアンドレアス・クローデン(レディオシャック・レオパード)、3位はベルギーのヤン・バークランツ(レディオシャック・レオパード)だった。メイングループは8分40秒遅れで一緒にゴールし、総合首位は英国のクリストファー・フルーム(スカイ)が守った。
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第19ステージは175選手が出走。この日は序盤からカテゴリー超級の峠越えがつづくレイアウトで、オフィシャルスタートとともにアタックがかかり、すぐに40人近い選手が先行する展開になった。区間優勝したコスタは、そのなかの1人だった。最初のカテゴリー超級のグランドン峠で、ジロウイナーのライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ)が、ヨン・イサギレ(エウスカルテル・エウスカディ)とともに先頭集団から抜け出し、山頂で3分10秒差をつけて先行した。
後方では山岳賞3位でマイヨ・アポワを着たクリストフ・リブロン(AG2R・ラモンディアル)、ダミアーノ・クネゴ(ランプレ・メリダ)、モレノ・モゼール(キャノンデール)、ピエール・ロラン(ヨーロッパカー)、フアンアントニオ・フレチャ(バカンソレイユ・DCM)の5人が下りで抜け出し、先頭の2人を追走した。メイン集団ではグランドン峠の下り坂で落車事故が発生し、ジャック・バウアー(ガーミン・シャープ)がリタイアした。
2つ目のカテゴリー超級のマドレーヌ峠の登坂が始まるとイサギレが脱落し、先頭はヘシェダール1人になった。追走グループからはロランがアタックし、山頂まで4.5kmの地点でヘシェダールに追いついた。ロランはマドレーヌ峠山頂をトップで通過し、25ポイントを獲得した。スカイがコントロールするメイン集団は、マドレーヌ峠のふもとですでに8分45秒遅れていたが、その差が12分にまで開くと、チームサクソ・ティンコフが先頭を引き始めた。
レースは後半に入り、3つ目のカテゴリー2の峠でヘシェダールは脱落。ゴールまで残り69km地点で、ロランに50秒差を付けられてしまった。マイヨ・アポワ獲得を目指して独走を続けたロランは、4つ目のカテゴリー1のエピーヌ峠も先頭で通過したが、その行く手を阻むかのように雨が降り始めた。エピーヌ峠の下り坂で、ロランの左ふくらはぎは痙攣を起こしていた。
最後のカテゴリー1のクロワ・フリー峠が始まると、追走グループから満を持してコスタがアタック。降りしきる雨の中、ゴールまで残り19kmで先頭のロランを追い越すと、そのまま得意の独走体制に入った。ロランは追走グループに飲み込まれ、クロワ・フリー峠では1ポイントも獲得できなかった。その結果、山岳賞総合成績で首位のフルームにたった1ポイント及ばす、マイヨ・アポワを奪い返すことができなかった。
土砂降りのなか、コスタは追走するクローデンとの差を1分に広げて独走を続けた。チームサクソ・ティンコフが引くメイン集団では、最後の峠でアレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)とホアキン・ロドリゲス(カチューシャ)が攻撃を開始。しかし、フルームは動じることなく彼らの攻撃をかわし、総合上位の選手は全員一緒にゴールする結果に終わった。
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今大会で2度目の区間優勝を果たしたコスタは「ツールはボクが好きなレースなんだ。毎回最高のコンディションで挑むことが大切なのだとわかった。今年は区間2勝して、それはうれしい。自分の未来がどうなるのか期待したいね。ツールで総合を狙う選手になれるのかどうか。でも今は今年成し遂げたことで十分に満足だ」と、喜びを語っている。
7月20日はいよいよアルプス山岳最終日を迎える。第20ステージはアヌシーからアヌシー・セムノまでの125kmで行われ、序盤はカテゴリー2の峠が1つ、カテゴリー3の丘が3つ。そして中盤にカテゴリー1のルバール峠を越えたあと、最後は10.7kmを登り切る、カテゴリー超級の頂上ゴールだ。山岳賞でフルームにたった1ポイント差となったロランは、第20ステージはマイヨ・アポワを着て出走する。もし疲労が残っていなければ、序盤から逃げてポイントを稼ぎに行くにちがいない。しかし、山岳賞総合3位のミケル・ニエベ(エウスカルテル・エウスカディ)も6ポイント差で後ろに控えている。アルプス山岳最終日はマイヨ・アポワ争いも面白くなりそうだ。(Map:ASO)
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