7月7日ツール・ド・フランス結果

 
【ツール速報】ピレネー2日目の第9ステージでマーティンが初区間優勝
 
イメージ 1
 
第100回ツール・ド・フランスは、7月7日にサンジロンからバニェール・ド・ビゴールまでの168.5kmで第9ステージを競い、アイルランドダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ)が、ヤコブ・フグルサング(アスタナ)との一騎打ちのゴールスプリントに競り勝ってツール初区間優勝を果たした。アイルランド出身の選手がツールで区間優勝したのは、1992年のスティーブン・ローチ以来で、マーティンは彼の甥だ。20秒遅れでゴールしたメイングループのスプリントはミハウ・クウィアートコウスキー(オメガファルマ・クイックステップ)がトップになり、区間3位になった。マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(スカイ)が守った。

 
イメージ 2
 
第9ステージはスイスのミヒャエル・シャール(BMC)とオーストラリアのローハン・デニス(ガーミン・シャープ)が出走せず、185選手がスタート。この日5つあった峠のうちの2つ目だったカテゴリー1のマンテ峠の登坂が始まると、カデル・エヴァンス(BMC)がメイン集団から脱落。さらに前日にスーパーアシストぶりを見せつけたリッチー・ポート(スカイ)も遅れてしまった。マンテ峠でマイヨ・ジョーヌのグループは30人ほどに減り、チームサクソ・ティンコフ勢が先頭をコントロールしていたが、フルームはこの時点でもうアシストが1人もいなくなってしまっていた。マンテ峠の山頂で、ポートはすでにマイヨ・ジョーヌ集団から2分以上遅れていたが、エヴァンスは下りで追いつくことができた。

 
マンテ峠の下りで、アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム)は孤立したフルームへの攻撃を開始。フルームはそれに応えることができたが、アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ)とエヴァンスは遅れてしまった。65km地点で先頭にはピエール・ロラン(ヨーロッパカー)、ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ)、ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)、トーマス・ドヘント(バカンソレイユ・DCM)、バルト・ドクレルク(ロット・ベリソル)が逃げていて、50秒遅れでバルベルデとフルームのグループがつづき、コンタドールエヴァンスのグループは逃げと1分10秒差だった。しかし、ニコラス・ローチ(チームサクソ・ティンコフ)の働きでコンタドールはフルームのグループに73km地点で追いつくことができた。この時点でマイヨ・ジョーヌの集団にチームサクソ・ティンコフの選手は5人、モビスターチームの選手は4人いたが、チームスカイはフルーム1人のままだった。しかし、78km地点でベンハミン・ノバル(チームサクソ・ティンコフ)とホセイバングティエレス(モビスターチーム)がリタイア。スカイに闘いを挑む2チームは、選手が1人ずつ減ってしまった。

 
4つ目のバルルロン・アゼット峠の登坂で、ポートはマイヨ・ジョーヌ集団へ合流しようと試みたが、それを察知したモビスターチームは集団の先頭を引いてスピードを上げてしまった。ゴールまで残り40kmで、ポートは3分半遅れになってしまった。この日最後のラ・ウルケット・ダンチザン峠の登坂で、最後まで逃げていたバルデを吸収したあと、先頭のマイヨ・ジョーヌ集団からマイケル・ロジャース(チームサクソ・ティンコフ)が脱落した。山頂まで残り5kmを切って、20人ほどになったマイヨ・ジョーヌ集団から最初にアタックしたのはマイヨ・ブランのナイロ・キンタナ(モビスターチーム)だったが、すぐにフルームが制圧した。その直後にマーティンがアタックし、フグルサングが合流して2人の逃げが始まった。ラ・ウルケット・ダンチザン峠の山頂で2人はマイヨ・ジョーヌ集団に45秒差をつけることができた。そしてそのタイム差を保ったままゴールへと駆け下り、最後のゴールスプリントではマーティンが一枚上手だった。彼はこの日、総合でも13位から8位へと浮上している。

 
現在26歳のマーティンは、今季はカタルーニャ一周で総合優勝し、リエージュ~バストーニュ~リエージュも制し、開花の年になった。「すべての勝利が重要であり、特別なものだ。今日はチームがチームスピリッツを示したから、素晴らしい日だった。みんなが100%を出しきり、ボクの勝利のために働きすぎた何人かは、制限時間すれすれにゴールするほどだった。今朝、ボクたちはバスのなかでボクが区間優勝にトライすることを決めて、それを成功させることができた。だから素晴らしいよ」と、マーティンは区間初優勝の喜びを語っている。

 
孤軍奮闘でマイヨ・ジョーヌ初日を走りきったフルームは「今まで自転車に乗ってきて体験したもっとも厳しい日のうちの1日だったけれど、まだマイヨ・ジョーヌでいられてうれしいよ。ボクのチームメートたちは昨日すごく働きすぎて、今日はちょっとそのツケが回ったんだと思う。ボクは先頭集団でちょっと孤立したけれど、ボクは自分の心のなかで走っているように感じていたし、最大の挑戦に従うことができたから満足しているよ」と、心境を語っている。しかし彼はこの日、山岳アシストの1人であるベラルーシのバシリ・キリエンカ(スカイ)をタイムオーバーで失ってしまった。

 
選手たちは第9ステージ終了後に空路でフランス北西部へと移動。8日は最初の休養日をサン・ナザレで過ごす。そして9日には、サンジルダス・デ・ボワからサン・マロまでの197kmで、平坦な第10ステージが行われる。(Map:ASO)
 
イメージ 3
 
■第9ステージ結果[7月7日/サンジロン~バニェール・ド・ビゴール/168.5km]

 
1 ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ/アイルランド)4時間43分03秒

 

 
3 ミハウ・クウィアートコウスキー(オメガファルマ・クイックステップポーランド)+20秒

 
4 ダニエル・モレノ(カチューシャ/スペイン)+20秒

 
5 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+20秒

 
6 カデル・エヴァンス(BMC/オーストラリア)+20秒

 
7 ウォートル・プールス(バカンソレイユ・DCM/オランダ)+20秒

 
8 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+20秒

 
9 ダニエル・ナバロ(コフィディス/スペイン)+20秒

 
10 マクシム・モンフォール(レディオシャック・レオパード/ベルギー)+20秒

 
11 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+20秒

 

 
13 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+20秒

 
14 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)+20秒

 
15 ロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ/チェコ)+20秒

 
17 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+20秒

 
19 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+20秒

 
20 ルイ・コスタ(モビスターチーム/ポルトガル)+20秒

 
60 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+17分59秒

 
109 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+22分43秒

 
■第9ステージまでの総合成績

 
1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)36時間59分18秒

 
2 アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/スペイン)+1分25秒

 
3 バウケ・モレマ(ベルキン/オランダ)+1分44秒

 
4 ローレンス・テンダム(ベルキン/オランダ)+1分50秒

 
5 ロマン・クロイツィーゲル(チームサクソ・ティンコフ/チェコ)+1分51秒

 
6 アルベルト・コンタドール(チームサクソ・ティンコフ/スペイン)+1分51秒

 
7 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+2分02秒

 
8 ダニエル・マーティン(ガーミン・シャープ/アイルランド)+2分28秒

 
9 ホアキン・ロドリゲス(カチューシャ/スペイン)+2分31秒

 
10 ルイ・コスタ(モビスターチーム/ポルトガル)+2分45秒

 

 
16 カデル・エヴァンス(BMC/オーストラリア)+4分36秒

 
33 リッチー・ポート(スカイ/オーストラリア)+18分30秒

 
84 新城幸也(ヨーロッパカー/日本)+55分14秒

 
[各賞]

 
■ポイント賞:ペーテル・サガンキャノンデールスロバキア

 
■山岳賞:ピエール・ロラン(ヨーロッパカー/フランス)

 
■新人賞:ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)

 
■チーム成績:モビスターチーム(スペイン)
 
アイルランド出身選手が区間優勝されるのは凄いことですね。