神奈川県/JR貨物線橋梁架替え22年度にも着工


【3径間連続複合トラス想定】
 神奈川県は、「二級河川帷子川(地震高潮)河川改修事業」の一部を構成する延長約350mのJR貨物線橋梁の架け替えについて、順調に進めば2022年度の着工を計画している。構造は3径間連続複合トラス橋を想定する。現在、所有・管理するJR東日本に委託して設計などを進めている。護岸工と河道掘削工などを含む総事業費は338億8000万円を見込む。架替工は32年度の完成、引き続き残る工事を進め、35年度の全体完成を目指す。 同事業では、横浜市都心部に位置する河口部の延長約350mを対象に橋梁架替工と護岸工、河道掘削工を計画している。河口部の川幅が狭く、治水上支障となっており、台風などの大雨で上流部では浸水被害が発生している。特に04年の台風22号では横浜駅周辺で大きな被害が発生した。このため事業を推進し、時間当たり雨量約82mmに対応できるようにする。
 橋梁架け替えは、横浜市の「都市景観協議地区」に隣接することから、橋梁形式の選定は桁高を抑えたタイプを採用する計画だ。事業全体の進捗率は38%となる。橋梁設計は11年度から着手し、概略設計が完了している。
 ただ、多額の事業費を要することが課題となっており、JR貨物線が通行している線路を工事期間中に切り回す際、下流側の使用されていない線路を仮線として利用し、仮設工事費を縮減する。今後実施する詳細設計で既設橋の撤去工法などについて再度検討し、さらなるコスト縮減を図る。
 所在地は横浜市西区みなとみらい6地先ほか。JR東日本からの工事発注が見込まれる。


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