日本初の地下鉄車両「1001号車」機械遺産に認定 資料的価値の高さ評価 東京メトロ
東京メトログループの所有物では初認定
「機械遺産」は歴史に残る機械技術遺産を保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、日本国内に現存する機械技術面で歴史的意義のある遺産を、一般社団法人日本機械学会が認定するもの。2007(平成19)年から継続的に実施され、2016年度までに83件が認定されています。
機械遺産第86号に認定された1001号車の外観(画像:東京メトロ)。
今回の機械遺産認定は、東京メトログループの所有する車両としては初めて。認定においては、「1927年12月、東京地下鉄道が東洋初の地下鉄として営業を開始した上野~浅草間の2.2kmを走行した車両を当時のままに復元しており、資料的価値が高いこと」と「国内初の打子式ATS(自動列車停止装置)が装備されているなど、国産地下鉄の技術発展の基礎を示す車両であること」が評価されたといいます。
車体は難燃化を図るため、当時主流だった木ではなく鋼鉄を採用。当時の鉄道省で試験されていた国産の自動戸閉装置(ドアエンジン)を搭載し、扉の開閉を自動化しています。吊り手は、使用しない時はばねで跳ね上がり、走行中に左右に揺れない構造のリコ式(スプリング式)を採用。客室灯は地下空間に考慮し、直接光が入ってもまぶしくなく、影ができない間接照明が設置されました。