5月14日ジロ・デ・イタリア結果

【速報】ジロは今年最初の山岳ステージでウランが区間初優勝
 
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第96回ジロ・デ・イタリア(UCIワールドツアー)は、5月14日にコルデノンからアルトピアノ・デル・モンターズィオまでの167kmで今年最初の頂上ゴールを競う第10ステージを行い、コロンビアのリゴベルト・ウラン(スカイ)が、ゴールまで残り8kmからの単独アタックを決めて区間初優勝した。2位には同じコロンビアのカルロスアルベルト・ベタンクール(AG6R・ラモンディアル)が入った。3位争いはマリア・ローザのビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)がトップで通過し、10秒のボーナスタイムを獲得した。ニーバリはこの日、中間スプリントポイントでも2秒を稼ぎ、総合成績で2位のカデル・エヴァンス(BMCレーシング)との差をわずかに広げている。ディフェンディングチャンピオンのライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ)は20分以上遅れてゴールし、ジロ連覇の夢は消えてしまった。
 
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休養日を終えて2週目に入ったジロは、いよいよアルプス山岳区間がスタート。今年最初の山岳ステージは、14選手が集団から逃げ出して始まった。そのグループからベネズエラのジャクソン・ロドリゲス(アンドロニジョカットリ・ベネズエラ)とベルギーのセルジュ・パウエルス(オメガファルマ・クイックステップ)が終盤まで逃げ続けたが、ゴールまで残り10kmのアルトピアノ・デル・モンターズィオ峠で、スカイが引くメイン集団に吸収されてしまった。

そしてゴールまで残り8kmで、集団の先頭からアタックしたのがウランだった。ウランは総合で3分近く遅れていたため、マリア・ローザのニーバリは彼を追わず、山岳アシストのバレリオ・アニョーリ(アスタナ)のテンポで厳しい峠をこなしていった。マリア・ローザのグループは、この時すでに15人ほどに絞りこまれていた。ゴールまで残り5.5kmで、ウランはニーバリたちよりも30秒先行していた。アルトピアノ・デル・モンターズィオ峠でもっとも勾配がキツい20%のエリアに入ってニーバリが先頭を引き始めると、ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ)やブラッドリー・ウィギンス(スカイ)が精鋭グループから脱落してしまった。つづいてドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル)が先頭を引き始め、一時ニーバリたちとの差を広げたが、ゴールまで残り1.6kmで追いつかれてしまった。

ニーバリのグループはカデル・エヴァンス(BMCレーシング)、ポッゾビーボ、カルロスアルベルト・ベタンクール(AG6R・ラモンディアル)、ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ)、ロベルト・キーゼルロブスキー(レディオシャック・レオパード)、マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア)の7人に減っていた。このグループからフラム・ルージュの手前でベタンクールがアタックし、同郷のウランを追走。ニーバリはメカニック・トラブルで一瞬後退する場面があったが、すぐに前に復帰し、ゴール手前の中間スプリントポイントを3位で通過した。ウランはそのまま逃げ切ってグランツールで初めての区間優勝を手中に収め、20秒のボーナスタイムも獲得。彼はこの日、総合でのタイム差を2分4秒にまで縮め、総合3位に浮上している。

「今日は厳しい1日だった。休養日のあとは調子がいい選手もいれば、悪い選手もいる。今日は山岳での最初のテストだった。今朝チームで話し合って、ボクがアタックしてどんな反応があるか見ることに決めたんだ。チームは強く、みんな健康だ。上りでは他のチームよりも強かった。今日は上手く行ったから、これが続くといいね」と、ウランはこの日のレースを振り返った。そしてマリア・ローザのニーバリについてはこう語っている。「彼は強い。すばらしいコンディションだし、彼はジロのことを熟知している。雨にも強く、濡れた路面でも下りのスペシャリストだ。彼はトップフォームだ。ボクたちは彼が弱みを見せるのを待たなければならないだろう。その時が来れば攻撃だ」

5月15日は、タルビーズィオ(カーベ・デル・プレディル)からバヨン1963/2013(エルト・エ・カッソ)までの182kmで、中級山岳区間の第11ステージが行われる。コースは中盤に標高1790メートルでカテゴリー2のチャンピゴット峠を越えたあと、標高809メートルでカテゴリー2のバヨン峠でゴールする。(MAP: RCS Sport)
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■第10ステージ結果[5月14日/コルデノン~アルトピアノ・デル・モンターズィオ/167km]
1 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)4時間37分42秒
2 カルロスアルベルト・ベタンクール(AG6R・ラモンディアル/コロンビア)+20秒
3 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)+31秒
4 マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)+31秒
5 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+31秒
6 ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)+31秒
7 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+31秒
8 ロベルト・キーゼルロブスキー(レディオシャック・レオパード/クロアチア)+47秒
9 ベニャト・インチャウスティ(モビスター/スペイン)+1分06秒
10 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+1分08秒
11 プジェミスラウ・ニエミエツ(ランプレ・メリダポーランド)+1分10秒
12 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+1分10秒
13 ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ/オランダ)+1分16秒
19 セルヒオルイス・エナオ(スカイ/コロンビア)+3分14秒
71 ライダー・ヘシェダール(ガーミン・シャープ/カナダ)+20分53秒
■第10ステージまでの総合成績
1 ビンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ/イタリア)38時間57分32秒
2 カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)+41秒
3 リゴベルト・ウラン(スカイ/コロンビア)+2分04秒
4 ブラッドリー・ウィギンス(スカイ/英国)+2分05秒
5 ロベルト・ヘーシンク(ブランコプロ/オランダ)+2分12秒
6 ミケーレ・スカルポーニ(ランプレ・メリダ/イタリア)+2分13秒
7 マウロ・サンタンブロージョ(ビーニファンティーニ・セッレイタリア/イタリア)+2分55秒
8 プジェミスラウ・ニエミエツ(ランプレ・メリダポーランド)+3分35秒
9 ドメニコ・ポッゾビーボ(AG2R・ラモンディアル/イタリア)+4分17秒
10 ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド)+4分21秒
[各賞]
■ポイント賞:カデル・エヴァンス(BMCレーシング/オーストラリア)
■山岳賞  :ステファノ・ピラッツィ(バルディアーニバルボレ・CSFイノックス/イタリア)
■新人賞  :ラファウ・マイカ(チームサクソ・ティンコフ/ポーランド
(http://www.gazzetta.it/Speciali/Giroditalia/2013/it/)
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