羽田新路線、春からアセス着手 JR東、都心駅と結び29年完成予定


日本の交通網に変革を促す巨大プロジェクトが、首都の玄関口で本格始動する。JR東日本は、羽田空港と東京都心のターミナル駅を結ぶ新路線「羽田空港アクセス線」の建設に向け、近く環境影響評価(アセスメント)に着手する方針を固めた。二月中にも表明し、今春に作業を始める。関係者への取材で九日、明らかになった。
 羽田空港の新駅と東京駅は約十八分、新宿駅は約二十三分で直結する計画だ。アセスに三年、建設に七年を要し、二〇二九年ごろの完成を見込む。羽田では二〇年東京五輪パラリンピックに合わせ、国際線の発着枠が拡大し、今後も利用者は増加傾向の見通し。東北や北陸など各新幹線が発着する東京駅など都心と羽田の移動時間短縮で、利便性向上に大きな効果が期待されるが、東京への一極集中をさらに加速させる可能性もある。
 人手不足を背景にした建設コストの高騰で、事業費は三千億円以上になるとみられ、JR東は国や東京都に支援を要請。費用負担の協議を進めている。関係者によると、国は羽田空港の活性化につながるとして、補助する方向で検討している。
 JR東は、新駅建設に向け既に空港でボーリング調査を実施済み。地下のトンネルなどで難工事も予想され、アセスでは沿線の地質調査などで、工事や電車の走行による影響を確認する。
 JR東によると、アクセス線は東京駅方面の「東山手」、新宿駅方面の「西山手」、江東区新木場駅方面の「臨海部」の三ルートの総称で、既設の線路や新規の路線を組み合わせる。羽田空港の新駅と品川区の東京貨物ターミナル駅との間は、五・七キロのトンネルを開通させる計画だ。東山手は東北、高崎、常磐の各在来線からの直通運転が可能。新木場駅と羽田は約二十分で結ばれる。JR東は子会社の東京モノレールを除き、羽田につながる路線は持っていない。

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