【さいたまクリテリウム】アルカンシエルのバルベルデが優勝!


J:COM presents 2018 ツール・ド・フランス さいたまクリテリウムが11月4日(日)、さいたま新都心駅周辺の特設コースにて行われた。今年で6回目の開催となるこのイベント。ジャパンカップとはまた違ったファン層の広さを感じた。この日、会場に詰め掛けた観客たちの一番のお目当てであるメインレースは、14時55分からスタート。

コースレイアウトは昨年と同じ。1周約3kmのコースを19周する約57kmで行われた。様々な選手が、代わる代わる4~5人程度の小さな逃げを作ってはメイン集団に吸収されるという展開を繰り返しながらレースは進行。

14周目にツール・ド・フランスジャパンチーム別府史之新城幸也が一瞬そろって抜け出しに成功するもすぐにチェックが入って集団はひとつに。その瞬間を目の前で見ることができた観客はラッキーだった。

そして15周目にはマイヨ・ジョーヌ自らが集団から抜け出す動き。これに反応するようにアルカンシエルバルベルデ、ヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーンメリダ)、新城、別府という夢の先頭集団ができあがる。

17周目、この逃げ集団の均衡をトーマスが自ら破る。それをバルベルデがフォロー。アルカンシエルマイヨ・ジョーヌのランデブーがはじまった!

さらに、18周目には後ろの3人から単騎で新城がブリッジ! 先頭3人に。そして、最終周回へ突入する鐘がなるホームストレートで、新城が単騎で抜け出しをはかる!

だがそんな無茶な走りが長く許されるはずもなく。トンネルを抜けた山岳賞ポイント手前でマイヨ・ジョーヌアルカンシエルに左右から抜かれる。だが、あきらめずに食い下がる新城。そんな抵抗むなしく、最後のトンネルを抜けた上りで完全に切り離される新城。

そしてトーマスとバルベルデが一騎打ち。アルカンシエルマイヨ・ジョーヌの戦いはバルベルデに軍配! 観客は、世界チャンピオンジャージが両手を上げる貴重なシーンを目に焼き付けたことだろう。

各選手のコメント

アレハンドロ・バルベルデ
日本のファンと時間を共有できてうれしいです。アルカンシェルを着ての初勝利になりました。多くの観客が集まっているのは驚き。幾重にも重なっているのはすごい、励まされました。

最後の展開は、そこまでの自信があったわけじゃない、新城もトーマスもいい走りをしていたから。カーブの多いコースで速度の上げ下げが多く疲れていたけれど、最後はライバルを振り切って勝つことができてよかった。


-パレード走行では選手同士、和気藹々と走っていたけれど、レース前はいつもそう?

選手同士はレースになればライバル。でもその前後は友人。だからです。観客との距離も縮めていきたい、愛を感じてほしい。身近に感じてほしいと思っています。来日の思い出はファンからの愛情。あたたかく迎えてくれてうれしい。

東京五輪にむけて。2年の時間がある。日本で勝利できたことはいい思い出になっている。(東京五輪にむけて)はずみになったと思う。



■ゲラント・トーマス
結果的にはいいレースになりました。日本選手も頑張っていたと感じています。観客の雰囲気もよかった。

最初は調子が悪くスピードがいまいちだったけど、レースが進むにつれていいスピードになってきた。前半は生き残ることを重視した。待った。レースの1/4でスパートする計画だった。うまくいったね。コースはテクニカルで、スピードが出るコースだったね。多くのファンが歓声をあげてくれたのがうれしかった母国の雰囲気を思い出したよ。本当に楽しめました。


新城幸也
今年で6回目の参加です。また帰ってこれてよかった。自身初めて表彰台に乗りました。敢闘賞で表彰されたことはあったけれど、”表彰台”ははじめて。だから格別です。序盤から速かった。

別府さんがいつもそばにいてくれて、いい位置に入れた。トーマスがアタックした時にも助けてくれた。最後にバルベルデとトーマスがアタックしたときには、ニバリも助けてくれた。それに応えたかったけど、最後はちょっと脚がなかったし相手が格上ですから難しかったです。

それでも最後までできることをしたいと思って動いていました。つねに優勝は目指して走っていた。


-2019ツールのコースを見ての感想は?

距離が短いけれど、上りが厳しい。上れないとだめなツール。アルプス、ピレネーで活躍するために上りを強化したいと思っています。


-若い選手へアドバイスはありますか?

たくさんアドバイスしたいことはあります。まずは本場のヨーロッパに住んでレースできるように環境に適応、コミュニケーションできるようにしないと。自転車だけ強くてもだめで、1年間走り続けるには気持ちが折れないようにする必要があります。

ライダーとしての強さとコミュニケーション能力、その両方を手に入れられるようにがんばって。そうすれば道は開けると思います。


-けがが多いシーズンでしたね。さいたまクリテリウムに出て、ツールへの思いは再確認した?

走っているときにツールと同じ看板などを見るとその思いは強くなります。寂しい気持ちも同時にすごくあります。そして気持ちが引き締まります。7回出ているレースがツール。こんなに何回も出たレースはツールくらい。

自転車を始めたときからの目標。来年にむけてまた気合が入りました。


マルセル・キッテル
また”さいたま”に戻ってこれたのはうれしい。そして(スプリントレースで)勝てたのはうれしかったです。コースの雰囲気は毎年いいですね。楽しめています。(ファンライドのとき)みんながサイクリングを楽しんでいるのがわかります。ツールの雰囲気が日本で再現されているというふうに感じています。

東京の街も好き、ファンも好きですよ! すごく自分にとって特別なんですこのイベントは!



別府史之
このレースにおけるチームメイトの幸也と連携をとることを考えていました。去年みたいにパワフルな走りができなかったので、幸也に託すことを目標に。

個人的には毎年出ていて、今年も盛り上がっていて、みんなの前で走りを見せられたのはよかったです。

今シーズンはアジア大会で銀メダルを獲得。アジアツアーランキングで2位でした。ポイントがしっかりとれてるということ。2020年までチームとの契約を更新したし、来年はオリンピックの選考も出てくる、そこに集中してトライしたいですね。

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優勝はアレハンドロ・バルベルデ! 2位はゲラント・トーマス、3位に新城幸也

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クリテリウムメインレースは53人の選手が出走

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15周目にできた豪華な逃げ集団

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日本チーム一位マトリックスパワータグ

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チーム総合一位はツール・ド・フランスジャパンチーム 別府史之新城幸也

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各賞を受賞した選手たち