ツール・ド・フランス第11ステージはマイヨ・ベールのキッテルが5勝目をマーク


 
 
第104回ツール・ド・フランスUCIワールドツアー)は、7月12日にエメからポーまでの203.5kmで平坦な第11ステージを競い、スタートから逃げ続けていたポーランドのマチェイ・ボドナル(ボーラ・ハンスグローエ)がゴール手前250メートルで吸収された後、集団ゴールスプリントでマイヨ・ベールを着たドイツのマルセル・キッテルクイックステップフロアーズ)が5勝目を上げた。

ピレネー山岳ステージを翌日に控えて総合上位に変動はなく、マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(チームスカイ)が守った。これで彼はマイヨ・ジョーヌ着用日数が51日になり、ジャック・アンクティル(フランス)を抜いて単独4位になった。

 
 
 

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第11ステージは180選手が出走。曇りで気温は21度Cだった。オフィシャルスタートの合図とともに飛び出したのはマルコ・マルカート(UAE・チームエミレーツ)、フレデリク・バカールト(ワンティ・グループゴベール)、ボドナルの3人だった。バカールトが逃げに乗るのは今年のツールで3回目だった。

集団は3人を追わず、タイム差は5kmで2分半になった。12km地点で3分半になると、この日もベルギーのジュリアン・ヴェルモーテ(クイックステップフロアーズ)が集団の手綱を握って、ラース・バク(ロット・スーダル)と一緒にコントロールを始めた。

タイム差は40km地点で4分半になったが、それ以上にはならなかった。先頭の仕事にティアゴ・マシャド(チームカチューシャ・アルペシン)も加わり、60km地点でタイム差は3分に縮まった。

集団では補給地点で落車が発生。ダリオ・カタルドヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム)、ペリグ・ケムヌール(ディレクトエネルジー)、ジョン・デゲンコルプ(トレック・セガフレード)が巻き込まれた。

タルドは左手首を負傷し、救急車で病院へ搬送された。精密検査で骨折は見つからなかったが、ファビオ・アルー(アスタナプロチーム)はピレネー山岳区間を前に山のアシストを失ってしまった。

142.5kmの中間スプリントポイントはマルカートが先頭で通過。集団は2分20秒後にポイント争いのスプリントを競い、アレクサンダー・クリストフ(チームカチューシャ・アルペシン)がトップで通過した。

集団ではゴールまで残り58kmでふたたび落車があり、アルチュール・ビショー(エフデジ)、マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)、ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル)が巻き込まれてしまった。

ビショーとバルデは自転車を交換して遅れたが、集団は落車した選手を待ってペースダウンしたため、2人はゴールまで残り50kmで集団に戻ることができた。しかし、ビショーは落車で左ヒザを負傷してしまっていた。

ゴールまで残り40kmを切ると、タイム差は1分を切った。残り28kmでタイム差が25秒になったとき、逃げグループからタイムトライアルが得意なボドナルが飛び出し、40秒前後のタイム差を付けて単独で逃げ続けた。

集団ではゴール手前22kmを切ったところで、アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)がチームメートのミヒャエル・ゴーグルと落車。コンタドールはすぐレースに復帰し、ハーリンソン・パンタノのアシストで残り18kmで集団に戻ることができた。

集団の先頭は、フィリップ・ジルベールクイックステップフロアーズ)も仕事に加わったが、40秒前後のタイム差はなかなか縮まらなかった。しかし、残り10kmを切ってチームサンウェブやディレクトエネルジーも引き始めると、タイム差はじりじりと縮まっていった。

残り3kmで、ボドナルのアドバンテージは13秒になっていた。集団はチェコチャンピオンのズデネク・シュティバル(クイックステップフロアーズ)が引いて、ボドナルを追い詰めていった。

最後はファビオ・サバティーニクイックステップフロアーズ)がゴール手前250メートルでボドナルを捕らえた後、エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ)がスプリントを開始し、マシューズが後に続いた。

しかし、後方から飛び出したキッテルがゴール手前でボアッソンハーゲンを追い抜き、右手を上げてフィニッシュラインを通過した。やっと勝てたと思ったボアッソンハーゲンは右手を上げたが、その手でハンドルを叩いて悔しがっていた。

キッテルの後方からは、オランダのディラン・フルーネウェーヘン(チームロットNL・ユンボ)が飛び出して車体を投げ出したが、彼もキッテルのスピードには勝てなかった。

前半戦に6区間あったスプリントステージで、キッテルが勝てなかったのはフランスチャンピオンのアルノー・デマール(エフデジ)が優勝した第4ステージだけで、彼はフラム・ルージュの手前で起きた落車で足止めをくらい、スプリントには参加していなかった。

ツール・ド・フランスの長い歴史の中で、最初の11ステージ中5ステージで区間優勝した選手は、彼と1909年のフランソワ・ファーベル(ルクセンブルク)だけだ。キッテルのツールの通算区間優勝数は14勝になった。


■今年のツールはスプリントで敵なしのキッテルのコメント
「ゲームのトップにいたとしても、勝てる保証なんてないんだから、これは信じられないよ。僕は勝った5回の集団スプリントで決してミスをしなかった。今日も後輪から後輪へとジャンプすることができた。チームにふたたび勝利を与えられるのは素晴らしい。

ヴェルモーテ、バウアー、ジルベール...彼らはチャンピオンで、今日は僕が勝つためにすべてを捧げてくれた。言葉がないよ! 勝つために働くのは難しい。最も重要なのは、その瞬間に勝つための脚と精神を持っているということだ」


区間優勝は逃したが、敢闘賞を獲得したボドナルのコメント
「キャプテン不在で走っているから、そのチャンスを利用したいんだ。チームのファン、スポンサー、スタッフを尊重しなければならないからだ。いつもは誰かのために働いていて、自分自身のために働くことは滅多にない。最後の数キロで、僕はそれができると考えていた。残り2kmで振り返って、集団がまだ200メートル後方なのを見た。でも、それは同時にたった200メートルだったんだ...」
 
 



 
 
■第11ステージ結果[7月12日/エメ〜ポー/203.5km]

マルセル・キッテルクイックステップフロアーズ/ドイツ)4時間34分27秒
2 ディラン・フルーネウェーヘン(チームロットNL・ユンボ/オランダ)
エドワルド・ボアッソンハーゲン(チームディメンションデータ/ノルウェー
4 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)
5 ダニエル・マクレー(チームフォルテュネオ・オスカロ/英国)
ダヴィデ・チモライ(FDJ/イタリア)
アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)
8 ナセル・ブアニ(コフィディス/フランス)
9 ベン・スウィフト(UAE・チームエミレーツ/英国)
10 ダニロ・ヴィス(BMCレーシングチーム(BMCレーシングチーム/スイス)
61 新城幸也バーレーンメリダ/日本)
■第11ステージまでの総合成績(マイヨ・ジョーヌ
1 クリストファー・フルーム(チームスカイ/英国)47時間01分55秒
2 ファビオ・アルー(アスタナプロチーム/イタリア)+18秒
3 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+51秒
4 リゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック/コロンビア)+55秒
ヤコブ・フルサング(アスタナプロチーム/デンマーク)+1分37秒
ダニエル・マーティンクイックステップフロアーズ/アイルランド)+1分44秒
7 サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)+2分02秒
8 ナイロ・キンタナ(モビスターチーム/コロンビア)+2分13秒
9 ミケル・ランダ(チームスカイ/スペイン)+3分06秒
10 ジョーシ・ベネット(チームロットNL・ユンボニュージーランド)+3分53秒
12 アルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード/スペイン)+5分15秒 
113 新城幸也バーレーンメリダ/日本)+1時間13分14秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):マルセル・キッテルクイックステップフロアーズ/ドイツ)
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ワレン・バルギル(チームサンウェブ/フランス)
■新人賞(マイヨ・ブラン):サイモン・イエーツ(オリカ・スコット/英国)
■チーム成績:チームスカイ(英国)
■敢闘賞:マチェイ・ボドナル(ボーラ・ハンスグローエ/ポーランド

[ポイント賞総合成績]
マルセル・キッテルクイックステップフロアーズ/ドイツ)335pts
2 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)202pts
アンドレ・グライペル(ロット・スーダル/ドイツ)171pts

(http://www.letour.fr/le-tour/2017/us/)
 

いよいよピレネー山岳ステージがスタート!




スプリンターの出番はひとまず終わり、7月13日からはピレネー山岳区間が始まる。ピレネー初日の第12ステージは全長214.5kmで、ポーをスタートし、後半にカテゴリー1のマンテ峠とカテゴリー超級のポルト・デ・バレス峠を越えた後、標高1569メートルでカテゴリー1のペイルスールド峠を越え、カテゴリー2のペラギュード山頂にゴールする。

ペイルスールド峠の登坂は全長9.7km、平均勾配は7.8%。ペイルスールド峠山頂から2.5km下って始まるペラギュードの登坂は全長2.4kmで平均勾配は8.4%だ。


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