スイスの首都ベルンにゴールしたツール第16ステージは写真判定でマイヨ・ベールのサガンが区間3勝目!


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僅差のスプリント勝負を制し、サガンが3勝目を上げた!(Photo: YAZUKA WADA)

 
第103回ツール・ド・フランス(UCIワールドツアー)は、7月18日にモワラン・ザン・モンターニュからスイスの首都ベルンまでの209kmで平坦区間の第16ステージを競い、最後は集団ゴールスプリントになり、写真判定マイヨ・ベールのペーテル・サガン(ティンコフ)がアレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)を下して今大会区間3勝目を上げた。

マイヨ・ジョーヌは英国のクリストファー・フルーム(スカイ)が守った。

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スイスの首都ベルンがゴール

http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4297.jpg?itok=N5rxls57 <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4297.jpg?itok=N5rxls57" alt="" title="スタート前にインタビューを受けるカンチェッラーラ(Photo: YAZUKA WADA)" /> スタート前にインタビューを受けるカンチェッラーラ(Photo: YAZUKA WADA) http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-0396.jpg?itok=hWpwylOU <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-0396.jpg?itok=hWpwylOU" alt="" title="(Photo: YAZUKA WADA)" /> (Photo: YAZUKA WADA)
第16ステージはスイス国境を越え、首都ベルンにゴールするステージで、様々な思いを抱いた選手たちが区間優勝を狙っていた。今季いっぱいで引退すると表明しているスイスのファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード)にとって、ベルンは生まれ故郷であり、区間優勝して有終の美を飾りたいという思いは強かった。

「明らかに僕にとって特別な日だ。世界最大のレースであるツールのステージが、自宅からたった4kmしか離れていなかったら、そりゃあ特別さ。このレースでの僕の歴史とマイヨ・ジョーヌの日々を考えるとなおさらね。ベルンに入るには2つのルートがあるが、主催者は石畳のあるルートを選んだ。それは贈り物として歓迎する。主催者には感謝しているよ」と、カンチェッラーラはスタート前に語っていた。

米国のBMCレーシングチームは、チームオーナーの1人であるアンディ・リースがやはりベルンの出身だった。第5ステージで区間優勝してマイヨ・ジョーヌを着たグレッグ・バンアーベルマートは「今年のツールではまだミッションが残っている。リースに感謝するために、第16ステージで勝つことだ」と、語っていた。

そして第15ステージでハーリンソン・パンタノがチームにツールで初めての区間優勝をもたらして活気づいているIAMサイクリングは、UCIワールドチームで唯一のスイス登録チームとして、スイスのステージはどうしても勝ちたかった。

しかし、マイヨ・ベールを着た世界チャンピオンのサガンにも、この日はどうしても勝ちたい理由があった。ベルンのゴールには、故郷スロバキアから大応援団がやって来ていて、祖国の英雄の活躍を楽しみにしていたのだ。そしてそこには、彼の妻の姿もあった。

チームデュオで逃げたエティックス・クイックステップ

http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-0314.jpg?itok=o1CmBEuK <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-0314.jpg?itok=o1CmBEuK" alt="" title="スタート前にフランス拠点のチームとASOスタッフが出走サイン台に上がり、1分間の黙祷を行った(Photo: YAZUKA WADA)" /> スタート前にフランス拠点のチームとASOスタッフが出走サイン台に上がり、1分間の黙祷を行った(Photo: YAZUKA WADA) http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4248.jpg?itok=3fILu5Nn <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4248.jpg?itok=3fILu5Nn" alt="" title="フルームはこの日マイヨ・ジョーヌ着用日数が38日になり、歴代5位になった(Photo: YAZUKA WADA)" /> フルームはこの日マイヨ・ジョーヌ着用日数が38日になり、歴代5位になった(Photo: YAZUKA WADA) http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/tour16_1.jpg?itok=casqLCE3 <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/tour16_1.jpg?itok=casqLCE3" alt="" title="170kmをまるでチームデュオTTのように逃げ続けたマルティンとアラフィリップ" /> 170kmをまるでチームデュオTTのように逃げ続けたマルティンとアラフィリップ
スタート地点のモワラン・ザン・モンターニュでは、主催者とフランスチームの選手たちが登壇し、革命記念日の夜に南仏ニースで起こった悲劇を悼み、1分間の黙祷を行った。

フルームはこの日、マイヨ・ジョーヌ着用日数が通算38日目となり、フランスのアントナン・マーニュと並んで歴代5位になった。歴代4位はツールで5勝しているジャック・アンクティル(フランス)の50日だ。

快晴の下を、183選手がスタート。13km地点でエティックス・クイックステップのジュリアン・アラフィリップとトニー・マルティンの2人が集団からアタックし、めずらしいチームデュオの逃げを開始した。

この2人に合流しようとして、ティモ・ローセン(ロトNL・ユンボ)、ローソン・クラドック(キャノンデール・ドラパック)、ニコラ・エデ(コフィディス)、ピエールリュック・ペリション(フォルチュネオ・ビタルコンセプト)が追走に出た。最初の1時間の平均時速は49.5km/hだった。

パンツァー戦車の異名を持つTTスペシャリストのマルティンはアラフィリップを引き続け、83km地点で集団に6分近いタイム差を付けて快調に逃げ続けた。しかし、4人の追走グループは2人に追いつけず、101km地点で集団に吸収されてしまった。

106km地点で国境を越え、スイスに入国。ゴールが近づくとともにマルティンの努力も虚しく、そのタイム差は減り始め、ゴールまで残り50kmで2分半になっていた。集団ではマルセル・キッテル(エティックス・クイックステップ)がパンクに見舞われたが、すぐ復帰した。

ゴールまで残り41.5kmの中間スプリントポイントで、集団はマイヨ・ベールサガンが先頭で通過し、15ポイントを稼いだ。エティックス・クイックステップ・デュオとのタイム差は、残り32kmで1分を切っていた。

アラフィリップはゴールまで残り25.5km地点に設定されていたカテゴリー4のミューレベルクの丘で遅れて集団に吸収され、先頭はマルティン1人になった。しかしドイツ戦車も残り22kmで吸収され、集団は1つになった。
 
http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4474.jpg?itok=5mzcmwW1 <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4474.jpg?itok=5mzcmwW1" alt="" title="(Photo: YAZUKA WADA)" /> (Photo: YAZUKA WADA) http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4481_0.jpg?itok=FZs25Yew <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_sneak/public/WADA-4481_0.jpg?itok=FZs25Yew" alt="" title="(Photo: YAZUKA WADA)" /> (Photo: YAZUKA WADA)
そこでカウンターアタックを仕掛けたのは、元世界チャンピオンのルイ・コスタ(ランプレ・メリダ)だった。彼はすぐに数10秒差を付けて独走し続けたが、集団はディメンションデータ、ディレクトエネルジー、そしてBMCが引き、タイム差が大きく開くことはなかった。

残り7kmになると集団は一列棒状で追走し、コスタはゴールまで残り4.5kmでIAMサイクリングが引くメイン集団に吸収された。

ベルン出身のカンチェッラーラへの贈り物のように、残り2km地点に設定されていた石畳の坂で飛び出したのはベルギーのセプ・バンマルク(ロトNL・ユンボ)だったが、スプリンターたちを出し抜くことはできなかった。

最後は集団ゴールスプリントになり、アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ)とマイヨ・ベールサガンがフィニッシュラインで差し合い、写真判定の結果、サガンに軍配が上がった。

この日170kmをチームデュオで逃げ続けたアラフィリップとマルティンは、2人揃って敢闘賞を受賞し、表彰台に上がった。敢闘賞を1ステージで2人の選手が受賞するのは異例で、ツール史上初めてのことだった。


■今大会でハットトリックを成し遂げたサガンのコメント「結果を待ってはいなかった。主催者が来て勝ったと告げるまで、僕は2番だったと思っていたんだ。信じられないよ。何度も2位になった後で、僕の番になった。一日中働いてくれたチームに感謝したい。とてもテクニカルでクレイジーなゴールだった。皆が僕の後ろに付きたがった。クリストフはスプリントでミスをしたと思う。彼は差すのが遅かったから、僕が勝てたのさ」


■故郷ベルンで有終の美を飾れなかったカンチェッラーラのコメント「うまくいかなかった。コントロールするのがとても難しかった。最高の選手が先頭で闘っていた。僕は少し力が足りなかったが、最後に全力を出し尽くしてこの結果(区間6位)だ。地元の通りを走るのは特別だけど、今は何よりも疲れているよ。暑いのは苦手で、昨日は5kg失っていた。ベルンは素晴らしいゴールを与えてくれた。明日は休息日だからビールを飲むよ。ワインはシーズンの終わりまで取っておくのさ」
 
http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_only_2/public/WADA-4679.jpg?itok=DcES2KRH <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_only_2/public/WADA-4679.jpg?itok=DcES2KRH" alt="" title="マイヨ・ジョーヌ着用日数記録をまた1日伸ばしたフルーム(Photo: YAZUKA WADA)" /> マイヨ・ジョーヌ着用日数記録をまた1日伸ばしたフルーム(Photo: YAZUKA WADA)

■第16ステージで逃げ切れなかったアラフィリップのコメントマルティンは本当に特別な選手だ。僕は彼の後ろで苦しんでいた。彼は偉大なチャンピオンだ。今日は僕にとって自転車競技のいいレッスンで、2人にとっては良い思い出になった。僕たちには休息日を取る資格がある。昨日の大きな失望(機材トラブルで逃げのチャンスを失った)から前進した。それは容易なことではなかったけれど、パリにたどり着くまでには、まだチャンスはある」

■アラフィリップと一緒に敢闘賞をもらったマルティンのコメント「賞をシェアできて、僕たちにはハッピーな終わり方だった。優勝はできなかったけれど、とても誇らしいことだ。史上初めてのことで、自分たちがやり遂げたことを誇りに思うよ。逃げは予測していたほど長くはなかったが、明らかに厳しいものだった。ちょっと馬鹿げていたけれど、トライしなかったら勝てはしない。ファンや観衆が楽しんでくれていたらいいね」
 
http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_only_1/public/WADA-4879.jpg?itok=C2-phD9N <img typeof="foaf:Image" src="http://www.cyclesports.jp/sites/default/files/styles/layout_image_only_1/public/WADA-4879.jpg?itok=C2-phD9N" alt="" title="敢闘賞をシェアしたマルティンとアラフィリップ(Photo: YAZUKA WADA)" /> 敢闘賞をシェアしたマルティンとアラフィリップ(Photo: YAZUKA WADA)

20日からいよいよアルプス山岳ステージ!

7月19日は2度目の休養日となり、20日からアルプス山岳ステージを競う最終週がスタートする。スイスで行われる第17ステージはベルンをスタートし、標高1960メートルでカテゴリー超級のフィノー・エモッソンにゴールする頂上ゴール区間だ。

距離は184.5kmで、途中カテゴリー3の峠を2つ越えた後、終盤には全長13km、標高1527メートルでカテゴリー1のフォークラツ峠も越えなければならない。ゴールへと続くフィノー・エモッソン山は全長10.4kmの上り坂で、平均勾配は8.4%だ。

マイヨ・ジョーヌのフルームは「とても疲れているが、アルプスを楽しみにしている。とてもモチベーションが高いし、チームも順調だ。ボクたちが3週目にこんなにいい調子だったことはなかったと思う。ボクたちはまだ9人揃っていて、士気も高い」と、豊富を語っている。
 
 
■第16ステージ結果[7月18日/モワラン・ザン・モンターニュ~ベルン(スイス)/209km]

1 ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア)4時間26分02秒
2 アレクサンダー・クリストフ(カチューシャ/ノルウェー
3 ゾンドルホルスト・エンガー(IAM/ノルウェー
4 ジョン・デゲンコルプ(ジャイアント・アルペシン/ドイツ)
5 マイケル・マシューズ(オリカ・バイクエクスチェンジ/オーストラリア)
ファビアン・カンチェッラーラ(トレック・セガフレード/スイス)
7 セプ・バンマルク(ロトNL・ユンボ/ベルギー)
8 マキシミリアーノ・リチェセ(エティックス・クイックステップ/アルゼンチン)
エドワルド・ボアソンハーゲン(ディメンションデータ/ノルウェー
10 グレッグ・バンアーベルマート(BMC/ベルギー)
11 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)
13 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)
14 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)
120 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+2分54秒
■第16ステージまでの総合成績 
1 クリストファー・フルーム(スカイ/英国)72時間40分38秒
2 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+1分47秒
3 アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)+2分45秒
4 ナイロ・キンタナ(モビスター/コロンビア)+2分59秒
アレハンドロ・バルベルデ(モビスター/スペイン)+3分17秒
6 ロマン・バルデ(AG2R・ラモンディアル/フランス)+4分04秒
7 リッチー・ポート(BMC/オーストラリア)+4分27秒
ティージェイ・バンガルデレン(BMC/米国)+4分47秒
ダニエル・マーティン(エティックス・クイックステップアイルランド)+5分03秒
10 ファビオ・アルー(アスタナ/イタリア)+5分16秒
130 新城幸也(ランプレ・メリダ/日本)+2時間37分07秒
[各賞]
■ポイント賞(マイヨ・ベール):ペーテル・サガン(ティンコフ/スロバキア
■山岳賞(マイヨ・アポワ):ラファウ・マイカ(ティンコフ/ポーランド
■新人賞(マイヨ・ブラン):アダム・イエーツ(オリカ・バイクエクスチェンジ/英国)
■チーム成績(黄ゼッケン):モビスターチーム(スペイン)
■敢闘賞(赤ゼッケン):ジュリアン・アラフィリップ(エティックス・クイックステップ/フランス)&トニー・マルティン(エティックス・クイックステップ/ドイツ)
(http://www.letour.fr/us/)
 

ツール第16ステージの公式ダイジェスト映像


Summary - Stage 16 (Moirans-en-Montagne / Berne... 投稿者 tourdefrance_en

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