バスやスイカ導入、仙山線便利に 山形市、来年度以降取り組み


 

 仙山圏の交通網充実を図るため山形市は2019年度から、中長期的にJR仙山線各駅の利便性向上や交通系ICカード導入、高速化の促進などに取り組む。仙台市やJRなどと開いた勉強会で、「仙山線の利用促進と利便性向上プロジェクト」の案を策定し、方針に盛り込んだ。
 プロジェクトは二次交通確保や環境整備、イベント開催、マップ作成、新乗車券、鉄道機能強化—などの項目で取り組みを整理し、それぞれ19年度から短期(3年)中期(5年)長期(6年以上)で分類している。
 二次交通確保では、通勤、通学、観光での利便性を高めるため天童市方面と楯山駅などをつなぐバス、定額タクシーの導入を検討する。さらに山寺駅では、平日の観光用駐車場を活用するパークアンドライドを実施する。19年度から各関係団体との協議を始める。
 一方、乗車券に関しては、山形市内で山形駅山寺駅以外で整備されていない、交通系ICカードのSuica(スイカ)を21年度ごろから導入し、その後、仙山圏での乗り放題パス導入の検討に入る。
 機能強化策として仙山線の高速化を掲げ、奥羽本線左沢線との接続向上、山形—愛子駅間の増発による仙台までの時間短縮などを長期的に進める。
 このほか「仙山線沿線マップ」の外国語バージョンの作成、山寺と作並でのスタンプラリー開催なども進める。
 仙山線の機能強化は、16年に仙台市と結んだ協定の連携事項の一つ。両市と有識者、JRなどによる勉強会を17年11月から計5回開いて、今回のプロジェクトの方針を固めた。今後は進捗(しんちょく)状況を管理する組織を立ち上げ、市民の移動実態を把握するパーソントリップ調査の分析データを加味し、内容を磨き上げていく。


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